米津アトリエ

画家米津福祐の絵を展示しているアトリエです。画家の一言も添えて。

街の大将(III)

街の大将(III)

町にみんなから慕われている物乞いがいた。その変わった姿を絵にしたいと思った。

1970年代、F100(1620×1303)、油彩キャンバス

 

物乞いは神社や鐘楼などで寝泊まりし人々から食べ物をもらって暮らしていました。拾ったガラクタを後生大事に背負った姿は異様でしたが、町の人が手軽に慈悲を発揮することができる地蔵のような立場を確立しており、邪険にする人はいませんでした。かえりみると昔は町のコミュニティに溶け込んだ物乞いがいたような気がします。子供らは最初は泣いたり逃げたりしますが慣れると物乞いは無害な怪物でした。かれが泣いていた迷子を家に送り届けたこともあります。そんな朴直で無口な、しかし面妖なる物乞いを脳内変換して絵にしたそうです。変換されたかれは「街の大将」で勲章をさげた洋風の騎士でした。

 

人物画に斜め線がないことが気になった画家は人物にサッシュ(たすき)を着せました。このアイデアはかつて師にほめられたことがある、と画家は言いました。過去記事よりサッシュを着た人物。